「For Global Meiji!教職員との本音トーク」 第2回 小室輝久先生 明治大学法学部専任准教授、国際教育センター長

「For Global Meiji! 教職員との本音トーク

 

お待たせしました!連載2回目の記事になります!

明治大学国際化の活動を根掘り葉掘り聞き出そう!」

をテーマに、個性豊かな明大教職員の方に本音トークを迫ります!

学生が知りたい裏話が聞けるかも!?

 

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第2回のゲストは、

国際教育センター長も務めていらっしゃいます、

法学部専任准教授、小室輝久先生に来ていただきました!

 

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高松:こんにちは。本日はよろしくお願いします。

 

小室先生:お願いします。

 

高松:今回は、「小室先生のお人柄」、「明治大学の国際化」、「留学」の3点についてお聞きしていきたいと思います。

 

一つ目に、「小室先生のお人柄」についてです。

小室先生は東北大学の法学部に進学されています。

もともと法律に興味がおありだったのでしょうか。

 

小室先生:法学部に進みましたが、弁護士になりたいとか企業に勤めようとか思っていたわけではなく、法解釈学という法律の使い方の勉強がしたかったのでもありませんでした。

それよりも、法がなぜ法であるのかとか、法が社会でどのように使われているのかについて学ぶ、基礎法学という分野に関心を持って大学に入りました。ですので、法学部に入って、法律の勉強もしたのですが、東北大学の法学部には法学の専攻と政治学の専攻の両方があったので、学部生の時は法律学も勉強しましたし、政治学も勉強しました。

もちろん法制史や法社会学などの基礎法学についても学びましましたし、それに加えて、経済学部や文学部の授業もとることができたので、そこで社会思想史や西洋史などを興味の向くままに履修していました。

 

高:なるほど、東北大学を選んだ理由はありますか?

 

小:わたくしは東京の生まれ育ちですが、「一人暮らしをしたい」というのが大きな理由の一つでした。そして、「自分のしたい勉強ができるのはどこか」ということを考えました。

当時は、オープンキャンパスなどはない時代でしたので、土曜日などに気になる大学に行って、教室に入って授業を聞いてみるということをしていました。4つくらいの大学を見て、「暮らすなら仙台がいいかな」というので選んだ気がします。笑

真面目な理由を言うと、基礎法学という分野では、東北大学東京大学が一番研究水準の高い大学と言われていたので、そのなかで、一人暮らしのできる東北大学を選びました。

 

高:そうだったんですね。

法学部の後は大学院に進学されていますが、勉強を続けたいということだったのでしょうか。

 

小:はい。法学部を卒業する時点で一番興味を持っていたのが、イギリスの法の歴史で、西洋法制史のゼミにも入っていたので、そのまま大学院で勉強しようと思い、進学しました。

 

高:そうなんですね。

 

小:わたくしが大学を卒業したのは、バブル経済がまだ続いていた頃で、就職活動ものんびりしていて、わたくしの同級生は4年生の7月末(企業が内定を出すのは8月1日)から始めている人もいました。

その時期になると、企業から学生に「うちの会社に来ないか」という電話がかかってきて、その中から内定をとる、という時代でした。

ですのでわたくしも、もし大学院に入れたら行こう、もし行けなくてもどこかの企業には就職できるだろうというお気楽な雰囲気のなかで、大学院に進学しました。笑

「就職しようか、それとも進学しようか」と、深刻に悩むような感じではなかったです。

 

高:企業の方から電話が来るなんて、就職活動真っ只中の僕からすると羨ましいです。。。笑

大学院の後、明治大学に来られるまではどのようなことをなさっていましたか?

 

小:大学院で2年間の修士課程を終えた後、当時はそのまま大学で助手になる、という仕組みがあり、助手のお給料をもらいながら勉強していました。

 

高:お給料がもらえるんですね。

 

小:そうですね。ただ、助手には任期があって、3年間。そのあと延長できても最大5年までしかできないんです。助手の間は、お給料をもらって論文さえ書いていればよかったので、とても恵まれていました。笑

そして、その間に就職先を探すというかたちでした。

 

高:恵まれているとはいえ、論文を書きながら就職活動は大変なように感じます。

 

小:当時は、大学院の指導教員が就職先を探してくださるのが一般的でした。わたくしの場合は、その指導教員が明治大学のポストを探してくださって。

仙台に10年間いたので、そろそろ東京に帰ろうかなということで、明治大学法学部に就職しました。

 

高:なるほど。それで明治大学へいらっしゃったんですね。

 

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(楽しくインタビューさせていただきました!)

 

高:少し話が戻りますが、学生時代は留学の経験はありますか?

 

小:わたくしは実は学生としての留学経験はないんです。

 

高:そうなんですか。

 

小:東北大学にも交換留学の仕組みがあり、カリフォルニアに協定校がありました。「一人暮らしをしてみたい」というのと同じくらいの気持ちで、「外国に留学できたらいいな」くらいに思っていました。

カリフォルニアの場所も「アメリカの西側だな」くらいしかイメージがなく、今のように簡単にネットで検索できるわけではないので、その大学のこともあまりよくわかりません。でも、「アメリカならまあいいか」と思って、交換留学の申し込みをしました。

成績と英語要件は満たしていたのですが、お金の面で問題がありました。

留学は当然お金がかかるですが、そのときはそのことがよく分かっていませんでした。大学在学中は授業料免除で、奨学金ももらっていました。学生時代にアルバイトをしたこともなく、両親からの仕送りと奨学金で必要なお金をもらっていたので、お金を稼ぐとか貯めるという観念がわたくしの中にはありませんでした。今考えると恐ろしいことですが。笑

結局、留学に行きたいとなった時に、お金の問題があり、家族からの理解が得られず、留学はできませんでした。

 

高:そうだったんですね。

当時は留学が今ほど一般的なものではなく、情報もそれほどなかったと思います。

 

小:今ではそれなりの準備をすれば、海外留学することはそれほど難しいことではありません。

しかし、成績、語学力、お金、家族の理解といった要件を揃える必要があるということを、まず知っておいてもらいたいのです。「留学に行きたい」という気持ちだけでは、留学はできません。

自分ができなかったということもあり、学生には、チャンスがあればつかんでもらいたいと思っています。

これが、わたくしが今の仕事をしているモチベーションの一つでもあります。

高:確かに。自分のこと以外の要件も大事ですよね。

その後、海外に行く機会はありましたか?

 

小:初めて外国に行ったのは、お給料をもらうようになった助手の時でした。26歳でした。初めてもらったボーナスを持って、イギリスに2週間、一人で行ったのが最初の海外旅行です。当時は飛行機の予約もホテルの予約も、今より面倒で大変だった気がします。

 

高:そうなんですね。

その後、明治大学に来られていますが、明治大学で国際交流や国際化の仕事をすることになったきっかけを教えてください。

 

小:明治大学に勤め始めたのは1998年です。

その頃はまだ「国際化」ということは言われていなくて、協定校も少なく、たぶん20校程度でした。今では300校以上あります。

明治大学が「国際化」というものを考えるようになったのはこの10年間くらいのことで、その頃から「学生を海外に送り出そう」、「留学生をたくさん受け入れよう」、「研究のグローバル化を活性化させよう」というようになりました。

わたくしが所属している法学部でも、オーストラリアの西シドニー大学に学部生を派遣するプログラム(SULSA) を2006年から3年間実施しました。これが法学部では初めての短期留学プログラムです。

わたくしがはじめて直接に関わったプログラムは、2010年に始まったケンブリッジ大学夏期法学研修です。現地で授業を担当する先生やカレッジの国際部局とやりとりしながら、数年間かけて今の研修内容をつくりました。今でも、事前学習(留学基礎講座C)の授業を担当しています。

また法学部では、 Law in Japanプログラムという、外国人留学生を短期で受け入れる日本法プログラムを2009年から始めていて、授業やプログラムの運営を担当しました。

こういった法学部の国際化プログラムの担当から始まって、2年前からは国際教育センターで全学の留学生の派遣や受け入れを担当しています。

 

高:今では当たり前のように感じるプログラムも、相当な歴史があるんですね。

 

 

 

 

自由で優しい雰囲気の小室先生です。

皆さんも小室先生のことをご存じいただけたのではないでしょうか。

 

次回は、明治大学の国際化・留学について伺います!お楽しみに!!

 

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インタビュアー:高松

編集:鎌倉、高取 

 

 

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明治大学生に留学の可能性を感じてもらうという理念のもとEnglish cafeの開催や留学フェスタへの協力といった留学支援の活動を行っている団体です。